AIに自分でプロンプトを出させる「自走ループ」とは

毎回プロンプトを手で打つ使い方から、次に何をやるかをAI自身に決めさせて回す使い方へ。 この記事はその考え方と元ネタを整理します。 すぐ自分の環境に入れたい人は、手順をまとめた自走ループ・セットアップへ進んでください。 逆に、毎回その都度のプロンプトが欲しいだけなら、テンプレから作るプロンプトジェネレーターのほうが早いです。

何の話か

きっかけは、Anthropic で Claude Code を率いる Boris Cherny の発言です。 彼はポッドキャスト Acquired(2026年6月)で、自分の作業がこう変わったと語りました。

もうClaudeにプロンプトを書いていない。 Claudeにプロンプトを出して何をすべきか考えるループが回っている。 自分の仕事はそのループを書くことだ。

一年前はIDEの補完でコードを書き、途中は複数のClaudeを並列で手動操作していた。 今はプロンプトを打たず、プロンプトを出す側のループを書く。 2025年12月の30日間では、彼のClaude Codeへの貢献の100%をClaude Code自身が書き、259件のプルリクエストをマージしたといいます。

巷の要約は少し盛られている

このクリップは海外で大きく拡散し、日本語でも多く紹介されました。 ただし広まった要約には、原典から外れた部分があります。

つまり核は本物ですが、「誰もがやらないと損」という煽りは付け足されたものです。 合う作業に絞って入れるのが正しい受け取り方です。

自走ループとは何か

自走ループは、賢い一個のプロンプトではありません。 「決める・作る・確かめる」を分けて繰り返す仕組みです。

部品は四つです。

人が書くのは「ゴールを1文で書くこと」と「ループを直すこと」に変わります。 個々の手順を考えるのは、人ではなく「決める係」の役目になります。

どんな作業に向くか

向くのは、結果を機械で検証できる作業です。 テストが通るか、ビルドが成功するか、アプリが起動するか。 ここで合否を判定できるからこそ、人が見ていなくてもループが自分を正せます。

逆に、検証できない作業には向きません。 正解が主観的な文章の良し悪しや、外部の承認が要る作業は、ループの判定基準を作れません。 こうした作業は、従来どおり人が舵を取るほうが速く確実です。

始め方

考え方がつかめたら、最小構成で一度回してみるのが早いです。 CLAUDE.md の雛形、役割ごとのサブエージェント定義、コピペで動くループ・スクリプト、コスト上限の付け方までを自走ループ・セットアップにまとめてあります。

最初は反復回数とコスト上限を低く設定し、検証可能な小さな作業で試してください。 うまく回り出したら、対象を少しずつ広げていけば十分です。